アゴが痛い
インタビュアー
アゴが痛い、カクカクする、開けづらいという症状は、顎関節症のイメージなのですが、そのような患者さんはきますか?
多くはないですけれど、いらっしゃいますね。
食いしばっている感じではなく、他のことで来て「なんかカクカクしますね」とか「アゴが痛いんです」という感じで「ついで」で気が付くことが多いですね。
年々増えていると思います。
一般歯科医 吉沼
インタビュアー
でも、アゴなのに歯医者さんで診てもらえるんですか?
何科で診てもらえばいいのか?が、分からないんです。
「口腔外科」という領域があります。
口腔外科は、口の周り、つまりアゴも含めて診ます。
当院には口腔外科の専門医も在籍していますので、お気軽に相談してください。
一般歯科医 吉沼
顎関節症(がくかんせつしょう)とは?
アゴに痛みがある状態です。
「カクカク音がする」「口が開けられない」「頬っぺたが痛い」「噛んだ時に痛い」など症状は多岐に及びます。
治療の流れ
1. 診査診断
レントゲン、問診(どれくらい口が開くか?口を開け閉めしたときのアゴの動きや左右のバランス、カクカク/ジャリジャリなどの音がするか?など)
などで、分類を診断し、治療方針をご説明します。
2. 治療
顎関節症には、分類があります。(後述します)
分類に合わせて治療を行います。
3. 経過観察
2~4週後の診察で経過観察をします。
生活習慣などのアドバイスも行います。
教えて先生!顎関節症の分類
顎関節症Ⅰ型(がくかんせつしょういちがた)
顎関節円板でなく、咀嚼筋(そしゃくきん:アゴ、頬、頭部にある、咬筋・側頭筋・外側翼突筋・内側翼突筋)を主体とする。
顎関節症Ⅱ型(がくかんせつしょうにがた)
関節包・靭帯障害・関節円板(下記画像>赤枠部)の障害によって起こる。
顎関節症Ⅲ型(がくかんせつしょうさんがた)
アゴの関節円板(※)の復位を伴うか伴わないかによって、aとbの2つに分類されます。
aタイプは、顎を開け閉めした時に、「ガクガク・パッキッ」などの音(関節雑音・クリック音)がする事が特徴です(音がしない方もみえます)。
bタイプは、口が開こうとしても、途中で引っかかってしまうという方が多いことが特徴になります。
顎関節症Ⅳ型:変形性関節症(退行性病変を主徴候としたもの)
顎関節の骨の変形によっておこるもの。
顎関節症Ⅴ型:Ⅰ~Ⅳ型に該当しないもの
参考:顎関節症とは(特徴・分類など)厚生労働省 生活習慣病予防のための健康情報サイト
Q&A
Q. 顎関節症で痛いなのか、他に要因があって痛いのか、よく分からないのですが。しかもアゴなのか歯なのかよく分かりません。
A. まずはどこがどう痛いのか、どういう時に痛いのかなどをお伝えください。様々な可能性を考え診査診断にあたります。
Q. どんな治療法があるのですか?
A. 前述の分類によって治療の方法は違います。顎関節症Ⅰ型ではマウスピース、顎関節症Ⅲ型ではリハビリが主な治療になります。